新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは|3つの枠と申請期限を解説
公開日: 2026.10.03 / 更新日: 2026.10.10
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは|二つの制度とは異なる新しい補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは、革新的な新製品・新サービスの開発、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化のいずれかに挑戦する中小企業・小規模事業者を支援する制度です。公募要領は独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が発行し、事務局業務は全国中小企業団体中央会を主幹事としたコンソーシアムが担っています。名前の似た『中小企業新事業進出補助金』『ものづくり補助金』を思い浮かべる方も多いと思いますが、運営元の公式サイトはこの2つとは異なる補助金であると明記しています。現在実施中の第1回公募の期間は令和8年6月29日(月)から令和8年10月30日(金)18:00まで(厳守)で、電子申請システムは令和8年9月30日(水)に公開されています。
対象になる事業者|日本国内に拠点を持つ中小企業者等
補助対象者は、日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者等に限られます。中小企業者に当たるかどうかは業種によって資本金・従業員数の基準が異なり、製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下又は常時使用する従業員数300人以下、卸売業は資本金1億円以下又は従業員100人以下が目安になります。業種ごとに細かい例外もあるため、自社がどの区分に当たるかは公募要領の該当箇所で確認することをおすすめします。
3つの申請枠|革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠・グローバル枠の違い
本制度には「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つの申請枠があり、それぞれ目的が異なります。 - 革新的新製品・サービス枠:自社の技術力を活かした革新的な新製品・新サービス開発の取組を支援する枠です。既存製品・サービスの単なる改善や、新製品開発を伴わない設備導入だけの取組は対象になりません。 - 新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。既存製品の製造量を増やすだけの取組や、対象市場が既存事業と同一の取組は対象外です。 - グローバル枠:自社製品を活用して自発的に新たな海外販路を開拓するための、国内の輸出体制強化の取組を支援する枠です。取引先主導の事業は対象になりません。 どの枠に当たるかによって、このあとで説明する補助上限額や補助率が変わります。
補助上限額・補助率を従業員数別に比較する
革新的新製品・サービス枠の補助上限額は、従業員数1〜5人で750万円(賃上げ特例適用時850万円)、6〜20人で1,000万円(1,250万円)、21〜50人で1,500万円(2,500万円)、51人以上で2,500万円(3,500万円)で、補助下限額は100万円です。補助率は中小企業者1/2(最低賃金引上げ特例適用時2/3)、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3です。 新事業進出枠とグローバル枠は、補助上限額・補助下限額の表が共通しています。従業員数1〜20人で2,500万円(賃上げ特例適用時3,000万円)、21〜50人で4,000万円(5,000万円)、51〜100人で5,500万円(7,000万円)、101人以上で7,000万円(9,000万円)で、補助下限額は750万円です。 > 💡 補助率だけは新事業進出枠とグローバル枠で異なります。新事業進出枠は1/2(2/3)ですが、グローバル枠は一律2/3です。同じ上限額の表でも、実際に受け取れる補助金額は補助率次第で変わります。
満たすべき基本要件|付加価値額要件と賃上げ要件
採択後も守るべき基本要件が2つあります。1つは付加価値額要件で、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額(営業利益・人件費・減価償却費の合計)の年平均成長率4.0%以上の増加を見込む事業計画を策定し、これを達成することが求められます。もう1つは賃上げ要件で、従業員一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の増加を見込む事業計画を策定し、達成することが求められます。賃上げ要件を達成できなかった場合は、未達成率に応じた補助金の返還義務が生じるため、事業計画期間を通じて無理のない賃上げ計画を立てておく必要があります。
対象になる経費と補助事業実施期間
対象経費は3枠とも、機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費が中心です。新事業進出枠とグローバル枠では、これらに加えて建物費も対象になります。グローバル枠に限っては、さらに海外旅費や通訳・翻訳費も対象経費に加わります。補助事業実施期間は、革新的新製品・サービス枠が交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)、新事業進出枠とグローバル枠が交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)です。期間の延長は原則認められていないため、どの枠で申請する場合も実施スケジュールには余裕を持たせておくことが大切です。
申請前に知っておきたい注意点|電子申請のみ・過去の補助金利用歴
申請は電子申請システムでのみ受け付けられ、紙での応募は想定されていません。電子申請システムは令和8年9月30日(水)に公開されていますが、公募自体の開始は令和8年6月29日からであるため、『公募は始まっているのに申請フォームがまだ開いていない』期間がある点に注意してください。また、申請締切日時点を起点にして過去3年間にものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者は、審査において減点の対象となります。過去にこれらの補助金を利用したことがある事業者ほど、事業計画の説得力をより丁寧に示す必要があると考えておくとよいでしょう。
まとめ|自社に合う枠や他の補助金はKANAEの検索から
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、革新的な新製品・新サービス開発を支援する『革新的新製品・サービス枠』、新市場への進出を支援する『新事業進出枠』、海外販路開拓のための国内体制強化を支援する『グローバル枠』の3枠からなり、公式には『中小企業新事業進出補助金』『ものづくり補助金』とは異なる制度として運営されています。第1回公募の締切は令和8年10月30日18:00(厳守)です。自社の取り組みがどの枠に当てはまるかを確認せずに準備を進めると、対象外の経費のまま事業計画を立ててしまったり、より条件の良い他の制度を見逃したりすることがあります。KANAEの検索から、目的や業種に合う補助金・助成金をあわせて確認してみてください。
参考情報
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト — 公式情報を見る
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回、1.3版) — 公式情報を見る
中小企業新事業進出補助金 公式サイト(公募終了のご案内) — 公式情報を見る
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