両立支援等助成金とは|6コースの支給額と令和8年度改正点
公開日: 2026.10.08
両立支援等助成金とは|仕事と育児・介護等を両立できる職場づくりを支える6コース
両立支援等助成金とは、事業主が従業員の仕事と育児・介護・不妊治療等の両立を支える取り組みを行った場合に受け取れる、厚生労働省の助成金です。2026(令和8)年度は、①出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)②介護離職防止支援コース③育児休業等支援コース④育休中等業務代替支援コース⑤柔軟な働き方選択制度等支援コース⑥不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース、の6コースで構成されています。コースごとに対象となる取り組みと支給額がまったく異なるため、まず自社がどの場面で困っているか(男性育休が進まない、介護休業者の後任が決まらない、育休中の周りの負担が大きい等)を手がかりに、該当するコースを絞り込むのが現実的な進め方になります。
出生時両立支援コース|男性労働者の育休取得で最大60万円
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は、男性労働者の育児休業取得を後押しするコースで、2種類の支給パターンがあります。1つは、育児・介護休業法に基づく雇用環境整備や業務体制の整備を行ったうえで、男性労働者が子の出生後8週以内に一定日数以上(1人目5日以上、2人目10日以上、3人目14日以上)の育児休業を取得した場合で、支給額は1人目20万円、2・3人目10万円です。もう1つは、男性の育休取得率が前々事業年度と比べて30%以上上昇し、かつ取得率50%以上を達成した場合等に支給される60万円のコースで、こちらは1事業主につき1回限りとなります。同一の育休取得者について、育休取得率上昇等の申請後に育休取得そのものの申請を同一年度内に行うことや、育児休業等支援コース(育休取得時等)との併給はできない点に注意が必要です。
育休中等業務代替支援コース|周りの負担を支える手当・新規雇用への助成
育児休業や短時間勤務を取得した従業員の代わりに業務を担う同僚への手当支給、または代替要員の新規雇用・派遣受入を支援するのがこのコースです。育児休業者の業務を代替する従業員へ手当を支給した場合、業務体制整備費として最大20万円に加え、手当支給額の4分の3(最大240万円)が助成されます。短時間勤務者の業務代替の場合は、同様の整備費最大20万円と、手当支給額の4分の3(最大108万円)が対象です。代替要員を新規雇用または派遣で確保した場合は、代替期間の長さに応じて最短(7日以上)9万円から最長(1年以上)81万円まで支給され、この81万円は2026年度の改正で新設された金額です。手当支給の2つの型には企業規模による要件がなく、3つの型を合わせて1事業主あたり年度10人まで、初回の支給から5年間利用できます。
介護離職防止支援コース|介護休業・両立支援制度・休暇有給化を支援
介護を理由にした離職を防ぐためのコースで、4つの支給パターンがあります。対象労働者が介護休業を取得し職場復帰した場合に40万円、時差出勤制度や短時間勤務制度などの介護両立支援制度を導入・利用した場合に20万円〜25万円、介護休業取得者や短時間勤務者の業務代替者の新規雇用に20万円、業務代替者への手当支給に3万円〜5万円が支給されます。2026年度からは、有給の介護休暇制度を導入し労働者が実際に利用した場合に支給される『介護休暇制度有給化支援』(30万円、1事業主1回限り)が新設されました。一方で、これまで対象だった『所定外労働の制限制度』と『深夜業の制限制度』は、介護両立支援制度の対象から外れています。
育休取得・職場復帰支援と柔軟な働き方選択制度等支援コース
育児休業等支援コースは、育休復帰支援プランを策定したうえで対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得した『育休取得時』と、原職等に復帰させ申請日までの間6か月以上継続雇用した『職場復帰時』のそれぞれに30万円が支給されます(1事業主2人まで、無期・有期雇用者1人ずつ)。柔軟な働き方選択制度等支援コースは、フレックスタイム制度やテレワーク、短時間勤務制度など柔軟な働き方選択制度を3つ以上導入し対象労働者が利用した場合に20万円(4つ以上なら25万円)、子の看護等休暇制度を有給化し利用された場合に30万円が支給されます。いずれも障害児や医療的ケア児を養育する労働者を対象にした場合は加算があります。
不妊治療・女性の健康課題対応両立支援コース|新しい視点の支援
不妊治療、月経に伴う症状(PMSなど)、更年期といった女性の健康課題への対応は、これまで助成金の対象として整理されてこなかった領域ですが、このコースでは休暇制度や短時間勤務、フレックスタイムなどの両立支援制度を就業規則等に定め、相談対応の担当者を選任したうえで、対象労働者が制度を合計5日(回)利用した場合に、不妊治療・月経・更年期のそれぞれについて30万円が支給されます(それぞれ1事業主1回限り)。育児や介護と並んで、不妊治療や女性特有の健康課題も『両立支援』の対象として明確に位置づけられている点が、このコースの特徴です。
申請前に確認したいこと|コースの選び方と手続きの注意点
両立支援等助成金は、1つの企業が複数のコースを組み合わせて利用できる一方、同じ対象労働者の同じ休業について複数コースを重ねて申請できない組み合わせもあります(出生時両立支援コース②と育児休業等支援コースの一部等)。また、各コースには社内での方針周知や面談・プランの作成・実施、就業規則への規定整備といった『事前の体制づくり』が共通の要件として求められており、休業や制度利用が始まってからではなく、取り組みを始める前の段階で何を整備しておく必要があるかを確認しておく必要があります。具体的な支給要件・申請期間・提出書類は、本社等所在地を管轄する都道府県労働局(申請先)に確認するのが確実な進め方です。
まとめ|自社に合うコースから両立支援を形にする
両立支援等助成金は、男性育休・介護・育休中の業務代替・柔軟な働き方・不妊治療や女性の健康課題まで、仕事と家庭を両立させる場面を広くカバーしています。6コースすべてを一度に使う必要はなく、まずは自社で困っている場面に近いコースを1つ選び、必要な社内整備から始めるのが現実的です。導入の検討と合わせて、自社の目的や業種に合う他の補助金・助成金も探しておくと、人を支える取り組みと事業の成長を同時に進めやすくなります。自社に必要な体制整備を見落としたまま申請の段階に進むと、要件を満たせていないことに気づくケースもあるため、/browse.htmlで関連する支援策も確認しておきたいところです。
参考情報
2026(令和8)年度 両立支援等助成金のご案内(リーフレットNo.14)|厚生労働省 — 公式情報を見る
令和8年度 両立支援等助成金改正内容について|愛媛労働局(厚生労働省) — 公式情報を見る
両立支援等助成金|厚生労働省 — 公式情報を見る
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