人材確保等支援助成金とは|テレワークコースの支給額と離職率要件を解説
公開日: 2026.10.20
人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは|テレワーク導入・定着を支援する2段階の助成金
人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは、テレワークを導入・実施することで人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主を支援する、厚生労働省の助成金のことです。 テレワークには生産性向上や人材確保、エンゲージメント向上、ワークライフバランスの改善など、企業と労働者の双方にメリットがあるとされています。本コースは、テレワーク勤務の制度を整えた段階で支給される「制度導入助成」と、導入後に離職率の改善などの効果を確認してから支給される「目標達成助成」の2段階で構成されており、制度を作るだけでなく実際に定着させるところまでを後押しする設計になっています。 令和7年4月1日の改正により、テレワーク実施計画を事前に労働局へ提出して認定を受ける手続きが不要になりました。以前より申請のハードルが下がっている点は、見落とされがちなポイントです。
対象になる取組と中小企業事業主の要件|新規導入・実施拡大それぞれの条件
制度導入助成の対象になるには、テレワーク勤務に関する制度を規定した就業規則等を整備していることに加え、企業トップ等からのメッセージ発信など、労働者がテレワークを実施しやすい職場風土づくりの取組を行っている必要があります。 具体的な取組は次の5つに整理されています。 - 取組1: 労働者がテレワークを実施しやすい職場風土づくりの取組 - 取組2: 就業規則等の拡充 - 取組3: 外部専門家によるコンサルティング - 取組4: 労務管理担当者に対する研修 - 取組5: 労働者に対する研修 新規にテレワークを導入する事業主は取組1(必須)に加えて取組3〜5のいずれか1つ以上、すでにテレワークを導入済みで実施を拡大する事業主は取組1(必須)に加えて取組2〜5のいずれか1つ以上を行う必要があります。実施を拡大する場合は、これに加えて評価期間中の延べテレワーク実施回数を、評価期間前3か月と比べて25%以上増加させることも求められます。 💡 コンサルティングや研修は、パソコンやツールの使い方を説明するだけでは対象になりません。厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を踏まえた内容であることが条件です。
支給額|制度導入助成20万円と目標達成助成10万円(賃金要件で15万円)
支給額は、制度導入助成が1企業あたり20万円です。前述の要件を満たしてテレワーク制度を導入し、一定期間の実施実績を積むことで支給されます。 目標達成助成は1企業あたり10万円ですが、対象労働者の「毎月決まって支払われる賃金」を、制度導入助成の評価期間の開始日から1年以内に5%以上増加させる賃金要件を満たした場合は15万円に引き上げられます。 > この賃金要件の具体的な算定方法や例外的な取り扱いは、本稿で参照した厚生労働省の案内ページの要約記述にもとづくもので、支給要領・申請マニュアル本文そのものは確認できていません。申請を検討する場合は、支給要領・申請マニュアルの該当箇所か、管轄の都道府県労働局で最新の条件を確認してください。
評価期間と申請の流れ|3か月の評価期間を2回、12か月の間隔で実施
申請の流れは4つのステップに分かれています。 > ステップ1: テレワーク勤務制度に関する規程整備や前述の取組を行ったうえで、3か月間の評価期間(制度導入助成)を開始し、テレワークを実施する > ステップ2: 評価期間(制度導入助成)の終了後2か月以内に、必要書類を揃えて支給申請書(制度導入助成)を事業所管轄の都道府県労働局へ提出する > ステップ3: 評価期間(制度導入助成)の初日から12か月後に、3か月間の評価期間(目標達成助成)を開始し、離職率の低下やテレワークの実施回数を確認しながらテレワークを実施する > ステップ4: 評価期間(目標達成助成)の終了後2か月以内に、必要書類を揃えて支給申請書(目標達成助成)を提出する つまり、制度を整えてから目標達成助成の支給申請までは、最短でもおよそ1年半のスケジュールになります。電子申請を利用する場合はGビズIDの取得が必要で、「助成金ポータル」から手続きできます。
目標達成助成の離職率要件|制度導入前後の比較と30%以下の基準
目標達成助成を受けるには、まず制度導入助成の支給を受けていることが前提になります。そのうえで、次の条件を満たす必要があります。 - 制度導入後の離職率が、制度導入前の離職率以下になっていること - 制度導入後の離職率が30%以下になっていること - 評価期間(目標達成助成)のテレワーク実績が、評価期間(制度導入助成)の実績以上であること テレワークを導入して終わりではなく、その後も実施を継続し、かつ離職率が悪化していないことまで確認されて初めて目標達成助成が支給される仕組みです。制度を形だけ整えて終わらせず、実際に定着させることが求められていると考えると分かりやすいはずです。
申請時の注意点|中小企業の定義や賃金要件は労働局で確認を
本コースの対象は中小企業事業主ですが、業種ごとの資本金額や常時雇用する労働者数による具体的な基準値は、本稿で参照した公式資料の本文からは直接確認できていません。雇用関係助成金には業種区分ごとの中小企業の定義が設けられているため、自社が該当するかどうかは、支給要領本文または管轄の都道府県労働局で個別に確認してください。 同様に、具体的な申請受付期間(年度ごとの締切など)についても、本稿で参照した資料からは確認できていません。テレワークの導入はDXや働き方改革と関連する取組でもあるため、本コース以外に利用できる関連制度がないかもあわせて確認しておくと安心です。この確認を後回しにすると、より有利な制度や併用できる支援策を見落としたまま申請準備を進めてしまうことがあるため、/browse.html?purpose=dxで関連する支援策もあわせて確認しておくことをおすすめします。
まとめ|テレワーク定着を助成金で後押しする
人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、テレワーク勤務の制度を整えて実施する段階で20万円、その後の定着と離職率の改善を確認してから10万円(賃金要件を満たせば15万円)を支給する、2段階構成の厚生労働省の助成金です。令和7年4月1日の改正で事前のテレワーク実施計画の認定が不要になり、以前より利用しやすくなっています。 ただし、中小企業事業主の具体的な基準や賃金要件の詳細など、本稿だけでは確認しきれない点も残っています。申請を検討する際は、最新の支給要領・申請マニュアルを厚生労働省のウェブサイトで確認するか、管轄の都道府県労働局に問い合わせてください。テレワーク以外にも使える補助金・助成金を探したい場合は、KANAEの検索で目的や業種から探してみてください。
参考情報
人材確保等支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省 — 公式情報を見る
人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内(リーフレット)|厚生労働省 — 公式情報を見る
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