人材開発支援助成金とは|7コースの対象者と助成率をわかりやすく解説

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人材開発支援助成金とは|令和8年度の7コースの全体像

人材開発支援助成金とは、厚生労働省が実施する、事業主が雇用する労働者に職務に関連した訓練を行った場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。令和8年度は、人材育成支援コース・教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コース・建設労働者認定訓練コース・建設労働者技能実習コース・障害者職業能力開発コースの7コースで構成されています。 支給申請の窓口は都道府県労働局で、障害者職業能力開発コースのみ独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給業務を担当します。この記事では、最も多くの企業が利用する人材育成支援コースを中心に、厚生労働省が公開している令和8年8月3日時点の公式パンフレットの数値にもとづいて、対象になる事業主の条件・助成率・上限額・申請の流れを解説します。

対象になる事業主の条件|雇用保険適用事業所であることが基本

人材開発支援助成金を利用するには、まず雇用保険適用事業所(雇用保険の被保険者が存在する事業所)の事業主であることが前提になります。そのうえで、労働組合等の意見を聴いて事業内職業能力開発計画を作成し、それに基づく職業訓練実施計画届を作成して労働者に周知すること、職業能力開発推進者を選任することなどが基本要件として定められています。 解雇等により被保険者を離職させていないこと、訓練期間中も対象労働者に賃金を適正に支払っていることも条件に含まれます。中小企業事業主として優遇された助成率を使う場合は、業種ごとの資本金・従業員数の基準(例:小売業は資本金等5,000万円以下または常時雇用する労働者50人以下、その他の業種は3億円以下または300人以下)のいずれかを満たす必要があります。

人材育成支援コースの助成率|訓練メニューによって数値が変わる

人材育成支援コースには、①人材育成訓練②認定実習併用職業訓練③有期実習型訓練④中高年齢者実習型訓練という4つの訓練メニューがあります。①人材育成訓練の経費助成率は、正規雇用労働者等が45%(中小企業以外は30%)、有期契約労働者等が70%で、賃金改定や資格等手当で賃金を一定以上引き上げる要件を満たすとさらに15ポイント加算されます。 ②認定実習併用職業訓練と④中高年齢者実習型訓練はOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練で、経費助成率45〜60%(中小企業以外30〜45%)に加え、OFF-JTの賃金助成額(1人1時間あたり800円、中小企業以外400円)とOJT実施助成額(1コースあたり20万円前後)が受けられます。③有期契約労働者を正社員等へ転換するための有期実習型訓練は、経費助成率75%とコース内で最も高い数値が設定されています。

1労働者・1事業所あたりの上限|年度1,000万円・申請3回まで

助成額には複数の上限があります。1労働者1訓練あたりの経費助成限度額は、実際の訓練時間数に応じて中小企業で15万円(10〜100時間未満)・30万円(100〜200時間未満)・50万円(200時間以上)、中小企業以外はそれぞれ10万円・20万円・30万円です。賃金助成の対象になる時間数にも上限があり、通常の訓練は1労働者1訓練あたり1,200時間、専門実践教育訓練の指定講座は1,600時間までとされています。 さらに、1人の労働者が1年度(4月1日から翌年3月31日)に支給申請できる回数は3回まで(有期実習型訓練は同一事業主・同一労働者につき1回まで)で、1事業所・1事業主団体等が1年度に受け取れる人材育成支援コースの支給限度額は合計1,000万円です。複数の訓練を計画する際は、この年度上限を踏まえて優先順位をつける必要があります。

申請の流れ|訓練開始の6か月前から1か月前までに計画届を提出

人材開発支援助成金は、訓練を始める前の手続きが重要です。事業内職業能力開発計画にもとづいて職業訓練実施計画届を作成し、訓練開始日から起算して6か月前から1か月前までの間に管轄の労働局へ提出しなければなりません。計画届を提出していない、または提出期限に間に合わなかった場合は、原則として助成の対象になりません。 訓練を実施した後は、実績にもとづいて支給申請を行います。令和8年5月14日の支給要領改正以降は、支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出も必要になりました。助成金を申請する事業主に対して割高な受講料を設定していないかを確認するための書類で、訓練機関を選ぶ際にも意識しておきたい項目です。

人材育成支援コース以外の6コース|目的ごとに使い分ける

教育訓練休暇等付与コースは、有給の教育訓練休暇制度や長期教育訓練休暇制度を導入し、労働者がその休暇を使って訓練を受けた場合に助成するコースです。人への投資促進コースは、高度デジタル人材の育成訓練や、労働者自身が自発的に受ける訓練の費用を事業主が負担した場合などを対象にしています。事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げなど事業展開にともなって労働者に新しい知識・技能を習得させる訓練を支援する、令和8年度末までの時限的なコースです。 建設労働者認定訓練コース・建設労働者技能実習コース・障害者職業能力開発コースは、それぞれ建設業や障害者雇用に特化した制度で、助成率や上限額は人材育成支援コースとは別に定められています。これらのコースを検討する場合は、今回紹介した人材育成支援コースの数値をそのまま当てはめず、各コース専用の詳細パンフレット・支給要領で確認してください。

活用のポイントと注意点|他の助成金との接点もチェックする

人材開発支援助成金は雇用保険料で運営されているため、受給資格の基準や審査に協力する義務が定められています。助成金の支給・不支給の決定に必要な書類は5年間保存する必要があり、労働局の実地調査に協力することも条件の一つです。賃金要件や資格等手当要件を満たすと助成率が加算される仕組みもあるため、訓練計画の段階で対象労働者の賃金改定とあわせて検討すると、受け取れる助成額が変わってきます。 また、有期雇用労働者を正社員化する場面では、キャリアアップ助成金の正社員化コースと人材開発支援助成金の対象訓練がどちらも関係してくることがあります。どの助成金を使うか、または両方の条件を整理して申請するかは、自社の訓練内容と転換計画に応じて個別に判断する必要があります。

まとめ|自社に合うコースを公式資料で確認する

人材開発支援助成金は、人材育成支援コースを中心に、教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースなど7コースで構成される、企業の人材育成を支援する制度です。人材育成支援コースでは、訓練メニューに応じて経費助成率45〜75%、OJT実施助成、1事業所あたり年度1,000万円までの支給限度額などが設定されています。 一方で、訓練開始前の職業訓練実施計画届の提出や受講料の疎明書など、手続き面の要件も細かく定められています。自社がどのコース・どの訓練メニューに当てはまるかは、この記事の内容を出発点にしつつ、最終的には厚生労働省または都道府県労働局が公開している最新の支給要領で必ず確認してください。他にも人材育成・正社員化に関わる助成金があるので、KANAEの検索から自社の目的に合う制度もあわせて確認してみてください。

参考情報

人材開発支援助成金|厚生労働省 — 公式情報を見る

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内|厚生労働省(詳細版パンフレット、令和8年8月3日現在) — 公式情報を見る

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