人材育成支援コースとは|4つの訓練メニューと助成率を解説

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人材育成支援コースとは|4つの訓練メニューに使える人材開発支援助成金

人材育成支援コースとは、事業主が雇用する労働者に職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を計画どおりに実施した場合に、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部を助成する、人材開発支援助成金の中核コースです。令和5年4月に特定訓練コース・一般訓練コース・特別育成訓練コースを統合して創設され、2026年10月29日時点で厚生労働省の公式ページに掲載されている令和8年8月3日版の詳細パンフレットが最新として公開されており、廃止や公募終了の案内はありません。 このコースには、①人材育成訓練、②認定実習併用職業訓練、③有期実習型訓練、④中高年齢者実習型訓練という4つの訓練メニューが用意されています。どのメニューを使うかによって対象になる労働者や助成率・助成額の仕組みが変わるため、まず自社がどの訓練を実施したいのかを整理することが出発点になります。

対象になる事業主・労働者|雇用保険適用事業所であることが前提

対象になる事業主は雇用保険適用事業所の事業主、対象になる労働者はその事業所の雇用保険被保険者です。加えて、計画届を提出する時点までに、研修や人事の担当課長等を「職業能力開発推進者」として選任し、「事業内職業能力開発計画」を策定して雇用する労働者に周知していることが前提条件になります。 💡 職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定は、訓練ごとに毎回必要な手続きではなく、社内の体制として一度整えておくものです。まだ選任・策定をしていない場合は、計画届の提出日までに済ませておく必要があります。

4つの訓練メニューと助成率|人材育成訓練・認定実習併用・有期実習型・中高年齢者実習型

4つの訓練メニューは、対象になる労働者や訓練の形式によって次のように分かれます。 - 人材育成訓練:10時間以上のOFF-JTによる訓練 - 認定実習併用職業訓練:厚生労働大臣の認定を受けたOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練 - 有期実習型訓練:有期契約労働者等の正社員転換を目的に、OJTとOFF-JTを組み合わせて実施し、正社員化した場合に助成される訓練 - 中高年齢者実習型訓練:45歳以上の労働者を対象に、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練 経費助成率は、中小企業・大企業(中小企業以外)、正規雇用労働者等・非正規雇用労働者等の区分によって変わります。人材育成訓練では正規雇用労働者等が中小企業45%(大企業30%)、非正規雇用労働者等が70%です。認定実習併用職業訓練は中小企業45%(大企業30%)、有期実習型訓練は75%、中高年齢者実習型訓練は中小企業60%(大企業45%)が基本の助成率です。いずれも、訓練修了後の賃金改定や資格等手当の支払いで賃金が一定以上上昇した場合、助成率がさらに加算されます。

賃金助成・OJT実施助成の仕組み|1時間800円〜1,000円、OJTは1コースあたり最大25万円

4つの訓練メニューはいずれも、OFF-JTを受講させた時間に対して1人1時間当たりの賃金助成を受けられます。通常は800円(大企業は400円)ですが、訓練修了後に賃金が5%以上上昇した場合、または資格等手当の支払いを就業規則等に規定し支払後の賃金が3%以上上昇した場合は、1,000円(大企業は500円)に加算されます。 > 認定実習併用職業訓練・有期実習型訓練・中高年齢者実習型訓練には、OJTの実施に対する「OJT実施助成額」も別途用意されています。1人1コース当たり、認定実習併用職業訓練は20万円(大企業11万円)、賃金要件等を満たす場合は25万円(大企業14万円)。有期実習型訓練と中高年齢者実習型訓練はいずれも10万円(大企業9万円)、賃金要件等を満たす場合は13万円(大企業12万円)です。 賃金助成を受けられる時間数には上限があり、1労働者1訓練あたり通常1,200時間、専門実践教育訓練に指定された講座は1,600時間までです。eラーニングや通信制の訓練、育児休業中の訓練は賃金助成の対象にならず、経費助成のみになる点も押さえておきましょう。

経費助成の上限額と年間の支給限度額|訓練時間に応じて15万〜50万円、年1,000万円が上限

1人1訓練あたりの経費助成には、支給申請時点の実訓練時間数に応じた上限額があります。 - 10時間以上100時間未満:中小企業15万円(大企業10万円) - 100時間以上200時間未満:中小企業30万円(大企業20万円) - 200時間以上:中小企業50万円(大企業30万円) さらに、1つの事業所・事業主団体等が1年度(4月1日から翌年3月31日)に受け取れる人材育成支援コースの助成額には、合計1,000万円という上限があります。賃金要件や資格等手当要件の達成による加算分、共同事業主として申請した分もまとめてこの上限に含まれるため、複数の訓練を同時期に計画している場合は年間の合計額を見積もっておくことが欠かせません。 💡 1人の労働者が1年度に支給申請できる回数は原則3回までです。ただし有期実習型訓練は、同一の事業主が同一の労働者に対して年度にかかわらず1回しか利用できません。

申請の流れ|訓練開始6か月前〜1か月前の計画届、終了後2か月以内の支給申請

受給までの手続きは、大きく3つのステップで進みます。 1. 計画届の提出:訓練開始日から数えて6か月前から1か月前までの間に、「職業訓練実施計画届(様式第1-1号)」や対象労働者一覧などの必要書類を、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局へ提出する 2. 訓練の実施:計画届の内容どおりに訓練を実施し、支給申請までに訓練経費を全額支払っておく 3. 支給申請:訓練終了日の翌日から2か月以内に、「支給申請書(様式第4-1号)」とOFF-JT実施状況報告書、出勤簿・タイムカード・賃金台帳の写しなどの必要書類を労働局に提出する 認定実習併用職業訓練を利用する場合は、訓練開始日の30日前までに「実践型人材養成システム実施計画」を提出し、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。有期実習型訓練・中高年齢者実習型訓練では、訓練受講者がジョブ・カードを作成し、キャリアコンサルタント等による面接を受けることも事前に求められます。申請は電子申請システム「雇用関係助成金ポータル」からも行えますが、利用にはGビズIDの取得が必要です。

注意点|賃金助成の対象時間数と退職時の扱い、有期実習型訓練の正社員化条件

賃金助成の対象になるのは、実訓練時間数のうち所定労働時間内に受講した時間だけです。訓練実施期間中に対象労働者から退職の申し出があった場合、申し出日以降に実施された訓練は賃金助成の対象から外れます。計画の段階で、訓練期間を通じて受講を継続できる見込みがあるかを確認しておくことが大切です。 有期実習型訓練は、支給申請日までに対象労働者を正規雇用労働者等へ転換していることが助成の条件です。転換が実施できなかった場合でも、職業能力開発推進者の選任や事業内職業能力開発計画の策定・周知、定期的なキャリアコンサルティングの機会確保といった要件を支給決定時までに満たしていれば、人材育成訓練の助成内容として助成対象になる場合があります。正社員化を前提に計画している場合は、転換のタイミングと支給申請日の関係を早めに確認しておきましょう。

まとめ|どの訓練メニューが自社に合うかを先に見極める

人材育成支援コースは、職務に関連した知識・技能を習得させる訓練であれば幅広く使える一方で、人材育成訓練・認定実習併用職業訓練・有期実習型訓練・中高年齢者実習型訓練という4つのメニューごとに、対象になる労働者・助成率・賃金助成やOJT実施助成の有無が異なります。まずは「どんな労働者に、どんな形式の訓練を実施したいか」を整理したうえで、該当するメニューの助成率・上限額・申請期限を確認することが、計画届を出す前の最初の一歩になります。 人材育成支援コース以外にも、業種や目的によって使える助成金・補助金は複数あります。/browse.htmlで確認せずに計画を進めると、より条件に合う制度を見落とすことがあるため、あわせてチェックしておくと安心です。

参考情報

人材開発支援助成金|厚生労働省 — 公式情報を見る

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内 詳細版パンフレット(令和8年8月3日版)|厚生労働省 — 公式情報を見る

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