外国人労働者就労環境整備助成コースとは|最大25万円の要件と提出期限

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外国人労働者就労環境整備助成コースとは|対象者と助成額の全体像

外国人労働者就労環境整備助成コースとは、雇用保険被保険者である外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」「公用」を除く)を雇用する事業主が、外国人労働者が安心して働き続けられる職場環境を整えた場合に、厚生労働省から助成金を受け取れる制度です(令和8年10月1日現在)。外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行についての知識不足や言語の違いから、労働条件や解雇などに関するトラブルが生じやすい傾向があるとされており、この助成金はそうした事情に配慮した就労環境の整備を後押しするものです。 助成額は、取り組む措置の組み合わせによって20万円または25万円の2段階で、事業所ごとではなく事業主単位(企業単位)で支給されます。複数の事業所で外国人労働者を雇用している場合も、申請の単位は会社全体で1つです。 助成の対象になるかどうかは、①どの措置を導入するか、②外国人労働者の離職率が基準を満たすか、③計画をいつ提出するか、という3つのポイントで決まります。次の章から順に確認していきます。

助成金をもらうための3つの取り組み|雇用労務責任者・多言語化・一時帰国休暇

助成の対象になる取り組みは、次の3つです。イとロをどちらも実施すると20万円、イとロに加えてハも実施すると25万円が支給されます。 - イ 雇用労務責任者の選任:事業所ごとに選任し、氏名と相談対応の窓口であることを掲示等で周知する。計画期間中は全ての外国人労働者と3か月ごとに1回以上面談し、結果を書面に残す。労働基準法などの法令違反があった場合に相談できる労働基準監督署等の案内も周知し、選任した責任者は全員、計画期間の末日までに「外国人労働者雇用労務責任者講習」を受講する - ロ 就業規則・社内マニュアル等の多言語化:就業規則または労働協約、労働条件通知書または雇用契約書、社内マニュアルのそれぞれ1点以上を、外国人労働者の母国語またはやさしい日本語に翻訳し、計画期間中に周知する - ハ 一時帰国のための休暇制度の整備:年次有給休暇とは別に、一時帰国を希望した場合に年1回以上・連続5日以上取得できる有給休暇制度を就業規則等で新たに定め、支給申請時まで運用を続ける 💡 雇用労務責任者は専任でなくてもよく、人事担当者や事業主本人が兼任しても問題ありません。国籍や就労年数などの基準もないため、既にいる担当者を選ぶところから始められます。

対象になる外国人労働者の範囲|在留資格は問われない

助成の対象となる「外国人労働者」は、次の3つをすべて満たす人です。 - 外国人雇用状況届出の対象者であること - 事業主に直接雇用され、労働契約を結んでいること - 雇用保険の被保険者(短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者を除く)であること この3つを満たせば、在留資格の種類にかかわらず「外国人労働者」として扱われます。特定技能や技能実習はもちろん、それ以外の在留資格でも対象になり得るということです。一方で、事業主側の支給対象としては、特別永住者及び在留資格「外交」「公用」の人を雇用しているだけでは対象になりません。 > 多言語化の対応は、外国人労働者が2名以上いる場合、そのうち1名分の書類を翻訳するだけでも支給要件そのものは満たせます。ただし、助成金の趣旨は職場定着の実現であるため、できるだけ全員分の多言語化を検討することが望ましいとされています。

助成金を受け取るための離職率要件|15%以下と少人数企業の例外

助成金を受け取るには、外国人労働者の離職率についての要件も満たす必要があります。基準になるのは、就労環境整備計画の期間が終わった翌日から6か月間(外国人労働者離職率算定期間)の離職率です。計画を実施している期間そのものの離職率ではない点に注意してください。 - 原則:外国人労働者離職率が15%以下であること - 例外:算定期間の初日における外国人労働者数が2人以上6人以下の場合は、算定期間中の離職者数が1人以下であればよい - 併せて必要な条件:計画提出日から算定期間の末日まで継続して雇用されている外国人労働者が1人以上いること 外国人労働者を少数しか雇用していない事業者でも、1人の離職が即不支給につながらないよう例外が設けられていますが、逆に言えば2人目の離職が出た時点で基準から外れる計算になるため、計画段階で見込みを確認しておく必要があります。

計画はいつまでに出す?|開始前6か月〜1か月のルールを見落とすと申請できない

この助成金で最も見落とされやすいのが、計画の提出タイミングです。就労環境整備計画の期間は3か月以上1年以内で、計画開始日は最初に措置を導入する月の初日になります。そして計画は、その開始日からさかのぼって6か月前の日から1か月前の日までに、本社所在地を管轄する都道府県労働局へ提出しなければなりません。 > すでに雇用労務責任者を選任してしまった、就業規則の翻訳を終えてしまった、というように措置を実施したあとに計画を提出することはできません。「まず取り組んでから、使える助成金を探す」という順番では間に合わない制度だということを、最初に押さえておく必要があります。 また、複数の計画を同時に提出することはできず、すでに計画を出している事業主は、その計画の支給決定日の翌日から3年が経過した日、または不支給決定日の翌日以降(不認定・取消しの場合はその翌日、支給申請をしなかった場合は申請期限末日の翌日)になってから、次の計画を提出できます。

支給申請までの流れとスケジュール例

支給までの流れは次の5ステップです。 1. 就労環境整備計画を作成し、都道府県労働局に認定申請する 2. 認定を受けた計画にもとづき、措置(雇用労務責任者の選任・多言語化・一時帰国休暇制度)を導入する 3. 導入した措置を計画どおりに実施する 4. 計画期間末日の翌日から6か月間(外国人労働者離職率算定期間)が終わったあと、2か月以内に支給申請する 5. 審査を経て助成金が支給される ガイドブックに示されている例では、2026年10月1日に計画を認定申請し、計画期間を2026年12月1日から2027年11月30日とした場合、離職率算定期間は2027年12月1日から2028年5月31日、支給申請期間は2028年6月1日から7月31日になります。計画の提出から実際に助成金を受け取るまで、1年半以上かかる見通しで動く必要があるということです。

助成金を受け取れない・取り消されるケース

手続きを踏んでも、次に当たると助成金を受け取れません。申請前に自社の運用を見直しておくと安心です。 - 計画期間内に退職が予定されている外国人労働者だけを対象に措置を行っている - 雇用労務責任者が3か月ごとの面談を行っていない、または結果を書面に残していない - 雇用労務責任者が外国人労働者雇用労務責任者講習を計画期間末日までに受講していない - 計画期間初日の前日から6か月前の日から計画期間末日までの間に、事業主都合の解雇等(日本人労働者を含む全ての雇用保険被保険者が対象)を行っている - 過去に同コースを受給しており、最後の支給決定日の翌日から3年が経過していない この助成金は予算の範囲内で支給されるものであり、審査の確認項目が多いため決定まで時間がかかることがあります。偽りその他不正の行為で助成金を受けた場合は不支給・支給取消しとなり、既に支給された分の返還と、事業主名等の公表につながります。

まとめ|外国人材の定着は「仕組み」で支えられる

外国人労働者就労環境整備助成コースは、雇用労務責任者を置き、ルールや休暇制度を外国人労働者にも伝わる形に整えることで、職場定着を仕組みとして支える助成金です。助成額は20万円または25万円と大きくはありませんが、相談窓口の周知や多言語化、一時帰国休暇の整備そのものが、離職の予防につながる取り組みでもあります。 最大のポイントは、計画を措置の実施前、開始日の6か月前から1か月前までに提出しなければならないことです。外国人材の受け入れを考え始めた段階で、できるだけ早く計画の準備に着手することが欠かせません。採用や定着の仕組みを整える際には、他にも使える雇用関係の助成金が見つからないまま検討を終えてしまうこともあるため、/browse.htmlで目的や業種から関連する補助金・助成金もあわせて確認しておきたいところです。

参考情報

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省 — 公式情報を見る

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック(令和8年10月1日現在)|厚生労働省 — 公式情報を見る

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